2023 年 37 巻 5 号 p. 912-917
免疫チェックポイント阻害剤(ICI)は今や癌治療の中心的存在であり,ICIに起因する免疫関連有害事象(irAE)のマネジメントは癌診療医にとって,いまや必須のスキルである.ICI治療後に生じた1)閉塞のない肝外胆管の拡張 2)びまん性の肝外胆管壁肥厚 3)胆道系酵素優位な肝障害 4)抗核抗体や抗ミトコンドリア抗体やIgG4は正常または低値 5)CD8陽性T細胞の胆管浸潤といった特徴をもつ胆管炎を2017年に我々が報告して以降,症例報告が相次いだが,実際の発生頻度は0.05~0.7%とされ比較的稀な病態である.そのため確立した診断法や治療法がなく,臨床上の問題となっている.本稿ではirAE胆管炎の概念や,現時点での知見をもとにした診断・治療法について概説し,今後解決すべき課題について論じる.