肝内胆管癌,肝外胆管癌に対する放射線治療(X線),粒子線治療(陽子線,重粒子線)は,術前療法・術後療法・単独根治療法として重要な治療選択肢である.切除可能肝内胆管癌では術後補助放射線治療の有効性が示唆され,切除不能肝内胆管癌に対しては放射線治療よりも粒子線治療の有効性が示されている.切除可能肝門部領域胆管癌に対しては強度変調放射線治療を用いた術後補助放射線治療の有効性が,切除不能肝門部領域胆管癌に対しては粒子線治療の有効性が示唆される.放射線や粒子線治療を安全に施行するために,スペーサー留置手術が試みられており,現在は生体吸収性スペーサーを使うことができる.放射線治療,粒子線治療を行う場合には金属ステントによる胆管破裂や動脈損傷などの偶発症に注意が必要である.放射線治療や粒子線治療は低侵襲かつ姑息から根治まで幅の広い治療法であり,適応外と考えられる症例にも治療選択肢として一考してもらいたい.