2024 年 38 巻 5 号 p. 727-735
胆嚢腫瘍に対し切除を行い,術後病理診断にて胆嚢原発濾胞性リンパ腫の診断に至った一例を経験したので報告する.症例は78歳男性.下行結腸癌術後フォローのCTで偶発的に胆嚢腫瘍を指摘され,精査加療目的に紹介となった.術前画像検査にて胆嚢体部に17mm大の腫瘍を認め,診断的治療目的に腹腔鏡下全層胆嚢摘出術を施行した.摘出した胆嚢の体部には18×15mm大の白色充実性腫瘍を認めた.病理組織検査では,粘膜下から漿膜下層にかけてリンパ球の濾胞性増殖が腫瘤を形成し,免疫染色ではCD10(+),CD20(+),Bcl-2(+)の所見であり,濾胞性リンパ腫の診断となった.骨髄を含め胆嚢以外に腫瘍を疑う所見は認めないことから胆嚢原発濾胞性リンパ腫の診断に至った.胆嚢原発の悪性リンパ腫は非常に稀であり,文献的考察を加えて報告する.