2024 年 38 巻 5 号 p. 719-726
症例は78歳男性.体重減少精査で肝浸潤を伴う胆嚢癌の診断となった.傍大動脈リンパ節の腫大も認めたことから切除不能胆嚢癌の診断でGCS療法を7コース施行.CT検査で部分奏功と判断され,PET検査では集積が胆嚢及び肝床部に限局していたため,Conversion Surgeryの方針となった.肝床部切除を伴う胆嚢摘出術を施行し,術後経過は良好だったが,病理検査でIgG4関連胆嚢炎の診断となった.術後の血清IgG,IgG4値は正常域で,術後1年経過現在IgG4関連疾患の症状や所見は認めない.孤立性のIgG4関連胆嚢炎は極めて稀で,画像診断上は癌との鑑別が困難なため,術後病理検査で明らかになった報告が散見される.肝膿瘍の経時的縮小および制吐剤のステロイドによる腫瘍の縮小が,化学療法による部分奏功と誤って判断された,IgG4関連胆嚢炎の1例を経験したため報告する.