2025 年 39 巻 1 号 p. 86-91
症例1は96歳,女性.右季肋部痛を主訴に前医に救急搬送された.翌日,当院へ紹介となり,造影CT検査では胆嚢は著明に腫大し浮腫性壁肥厚を認め,底部は正中に軸偏位していた.胆嚢捻転症を疑い,緊急で開腹胆嚢摘出術を施行した.胆嚢は頸部で360度反時計回りに捻転していた.症例2は98歳,女性.突然の右季肋部痛を主訴に当院へ救急搬送となった.血液検査所見では炎症反応の上昇は認めなかった.腹部造影CT検査で,胆嚢は腫大し,造影効果不良を認めた.胆嚢捻転を疑い,発症後約6時間で腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.胆嚢は頸部で反時計回りに360度捻転していた.胆嚢捻転症は①無力性体質の老婦人,②急な上腹部痛,③腹部腫瘤の触知,④黄疸・発熱の欠如が4徴候として知られている.高齢者への手術を要する場合が多く,併存疾患が多いことが問題となるが,画像所見や身体所見による早期診断を行えば,低侵襲な治療が可能である.