2025 年 39 巻 4 号 p. 698-702
症例は50歳男性,胆嚢結石症,胆嚢腺筋腫症を指摘され腹腔鏡下胆嚢摘出術施行目的に受診した.術前画像検査で前区域胆管枝本幹が胆嚢管に合流する胆道走向異常を認めた.術中に胆嚢管に合流する前区域枝を確認し,合流部より胆嚢側で胆嚢管を切離し,術後合併症なく経過した.
副肝管の頻度は少ないが,中でも胆嚢管に副肝管が合流するもしくは副肝管に胆嚢管が合流する走向異常では術中胆道損傷を起こす頻度が高いとされている.日常経験する副肝管走向異常のほとんどが後区域胆管枝であるのに対して本症例のような前区域枝本幹が胆嚢管に合流する走向異常の報告はほとんどない.今回我々は極めて稀な胆道走向異常を伴う胆嚢結石症に対して腹腔鏡下胆嚢摘出術を安全に施行しえた1例を経験したので報告する.