胆道
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症例報告
10年間に渡り自然経過を観察しえた胆管内乳頭状腫瘍の1例
山田 雅也貝沼 修夏目 俊之佐藤 やよい清水 辰一郎
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2025 年 39 巻 4 号 p. 690-697

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抄録

症例は76歳男性,10年前の人間ドックで肝左葉に嚢胞を指摘された.その後2020年には嚢胞の増大とCA19-9高値を認めるも,画像上悪性所見なく経過観察となっていた.今回,嚢胞の更なる増大と内部に結節の出現を認め,精査目的で当科紹介となった.嚢胞内には造影効果を有する22mm大の結節があり,FDG-PET/CTでは高集積を示した.胆管との交通は明らかではなく肝嚢胞腺癌の診断で腹腔鏡下肝左葉切除術を施行した.病理組織検査で,嚢胞内面は乳頭状,管状の増生を示す低異型度の上皮性腫瘍で覆われ,胃腺窩様構造を呈した.結節の一部には非浸潤性の高分化腺癌も見られた.粘液や卵巣様間質は認めず,胃型の胆管内乳頭状腫瘍(intraductal papillary neoplasm of bile duct)が最も考えられた.10年に渡り自然経過を追えた胆管内乳頭状腫瘍は貴重と思われ報告する.

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© 2025 日本胆道学会
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