2026 年 40 巻 2 号 p. 159-164
2021年,胆道癌取扱い規約は第7版に改訂され,遠位胆管癌のT分類は従来の解剖学的深達度から,癌の浸潤の深さ(depth of invasion:DOI)または腫瘍厚(invasive tumor thickness:ITT)に基づく実測長に変更された.本研究では,当科で遠位胆管癌の手術を行った45例を対象に,第7版のT分類を第5版または第6版と比較し,その妥当性を検討した.その結果,第7版ではT1およびT2に分類される症例が増加し,DOIまたはITT<5mmであってリンパ節転移を伴う症例においても,良好な5年生存率が得られた.これは,従来の深達度分類よりもDOIやITTに基づく分類が腫瘍の進展度と予後をより適切に反映していることが示された.DOIやITTのいずれも予後予測因子として有用であり,第7版T分類の妥当性が示唆された.