胆道
Online ISSN : 1883-6879
Print ISSN : 0914-0077
ISSN-L : 0914-0077
色素胆石の肉眼分類と胆石成分との関連性についての検討
早坂 弘人伊勢 秀雄北山 修森安 章人内藤 剛鈴木 範美松野 正紀
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 11 巻 2 号 p. 141-150

詳細
抄録

色素胆石74例を,日本消化器病学会胆石症検討委員会による分類法に基づき分類した結果,ビリルビンカルシウム石群(以下ビ石群)29例,黒色石群30例は分類が容易であったが,15例は判定が困難で「境界群」とした.ビリルビンカルシウム,黒色色素,パルミチン酸カルシウム,コレステロールの赤外分析では,ビリルビンカルシウム含有量は,ビ石群,境界群,黒色石群の順に,黒色色素含有量は,黒色石群,境界群,ビ石群の順に,パルミチン酸カルシウム含有量は,ビ石群,境界群,黒色石群の順に多かった(p<0.001).また,ビリルビンカルシウム,黒色色素,パルミチン酸カルシウムの各成分含有量の相互関係では,境界型の色素胆石は赤外分析による成分分析で,ビ石と黒色石の中間的な位置付けであった.したがって,色素胆石を画一的に2種類に分類することは,臨床的に困難であることが判明した.

著者関連情報
© 日本胆道学会
前の記事 次の記事
feedback
Top