1997 年 11 巻 2 号 p. 151-157
1995年7月から1996年10月までに,外来で胆膵に異常が疑われた403例に対してMRCPを行った.撮像法はSingle shotのFASE法(Fast Asymmetric Spin Echo Technique)を使用し,3秒間の呼吸停止下に撮像した.胆道狭窄,胆道内陰影欠損,膵胆管合流異常に対する正診率は,それぞれ98%,92%,97%であった.胆管癌12例と乳頭部癌6例が診断された.内訳は無黄疸例6例,胆管非拡張例1例,切除可能例11例,治癒切除可能例6例,深達度が外膜までの胆管癌1例,早期乳頭部癌2例であった.また,合流異常に伴う早期胆嚢癌1例が発見された.MRCPは,胆道癌の早期診断に有効な検査法であった.