症例は79歳女性.7年前に総胆管結石症にて,内視鏡的乳頭揺約筋切開術(EST)施行歴あり.発熱,腹痛,黄疸,意識障害,およびショック状態で来院.腹部超音波検査にて肝内胆管~総胆管の著明な拡張と総胆管内に巨大な結石を認め,総胆管結石による急性閉塞性化膿性胆管炎(AOSC)と診断し,直ちに内視鏡的逆行性胆道造影(ERC)を施行した.総胆管内には4×7cm超大の巨大な結石が存在し,引き続き内視鏡的経鼻胆道ドレナージ(ENBD)を施行した.巨大結石のため内視鏡的治療困難例であったが,全身状態改善後の計8回のESWLにより結石は十分に破砕され,特に重篤な合併症もなく,効果的に治療しえた.巨大総胆管結石症例に対する治療法,特にESWLの適応を検討する上で,興味深い症例であると考えられた.