胆道
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術中迅速病理検査にて診断された胆嚢癌合併陶器様胆嚢の1例
月岡 雄治小西 孝司前田 基一出町 洋三輪 淳夫藪下 和久
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2002 年 16 巻 2 号 p. 108-112

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抄録
陶器様胆嚢は比較的稀な疾患であるが,高率に胆嚢癌を合併することが知られている.今回我々は,術中迅速病理検査にて診断された,胆嚢癌合併陶器様胆嚢の1例を経験したので報告する.患者は69歳,女性.右悸肋部痛を主訴に来院,腹部単純X-P,超音波検査,CTにて陶器様胆嚢を有する急性胆嚢炎と診断され,入院となる.胆嚢炎軽快後に行った内視鏡的逆行性膵胆道造影(ERCP)にて,総胆管の軽度狭窄像を認めた,胆嚢癌合併の検索目的に行われたCT,dynamic MRIでは胆嚢癌の存在は確認されなかったが,胆嚢摘出術後の術中迅速病理検査にて胆嚢癌と診断されたため,肝床切除およびD2郭清を追加した.胆嚢壁は全層にわたって石灰化を認め,正常構造は破壊され,繊維化組織に置換されていた. 胆嚢内は大部分が壊死物であったが, 一部に癌組織を認めた. 壁深達度はs sで,リンパ節転移は認められなかった.
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