腹嚢癌切除69例を対象に進展様式と遠隔成績との関連を検討し,予後を規定する因子を明らかにすることを目的とした.切除例の内訳は,m癌11例,mp癌7例,ss癌30例,se,si癌21例で,予後良好なm,mp癌を除いた進行癌について,各因子別の予後を比較した.治癒切除率は,ss癌83.3%,se,si癌19.0%であり,根治度別の5年生存率は治癒切除55.2%,非治癒切除では3年生存例を認めなかった.リンパ節転移の有無別では,n(-)の5年生存率は50.4%,n(+)では5.7%,binf因子の有無別では,binf(-)35.6%,binf(+)では3年生存例はなかった.その他の予後不良因子として,stageIII,IV,乳頭型以外の肉眼形態,Gn(+)があげられた.5年以上長期生存の進行胆嚢癌症例は,いずれも治癒切除例で,binfは全例陰性,リンパ節転移陽性はn
1(+)の1例のみであった.
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