胆道
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胆管癌と鑑別困難であった良性胆道狭窄の3例
三上 佳子浦上 淳久保添 忠彦伊木 勝道山下 和城角田 司
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2004 年 18 巻 2 号 p. 198-203

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抄録
症例1は75歳男性, 平成7年5月, 総胆管結石, 胆管炎にて入院しPTCDを施行した. 胆汁細胞診でclass Vを認めたが, 画像上明らかな腫瘤像を認めず経過観察となった. 平成9年9月, 胆汁細胞診でclass Iであったが, ERCPにて総胆管内に腫瘤陰影を認めた.症例2は71歳男性, 平成11年1月, 総胆管結石と閉塞性黄疸の診断で入院し, PTCDを施行した.画像上胆管内に結石と思われる欠損像があり, 胆汁細胞診でclass Vを認めた.症例3は69歳男性, 平成14年5月, 胃癌の手術目的で入院した. 各種検査で下部胆管の途絶を認めた.3 例とも胆道の切除と再建術を行ったが, 術後の病理検査では, いずれも悪性所見は認められなかった. 3例とも術前に確定診断することは困難であったが, このような確定診断のつかない症例に対しては, 予後不良な悪性疾患を念頭において, 手術を施行することも必要であると考えられた.
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