抄録
胆嚢癌肉腫の4切除例を経験した. 術前診断では,3 例はいずれも腹部US,EUS,で塊状の腫瘤であり, ERCでは類円形の透亮像として描出され, 結節浸潤型胆嚢癌と診断した. 腹部CT,腹部血管造影では, 通常胆嚢癌と同様に血流が豊富で濃染像がみられた. 他の1例は塊状型胆嚢癌の所見であった. 病理組織所見は2例が深達度ssであり, 他の2例は深達度se,1例は肝転移を伴っていた. 免疫組織学的検査も含め, 全例「いわゆる癌肉腫」であった. 深達度ssの2例は5年以上経過観察可能であった.