抄録
症例は46歳, 男性. 全結腸型潰瘍性大腸炎, 胆石症にて経過観察されていた, 肝障害のため, 入院精査を施行し,総胆管全体に及ぶ数珠状変化,肝内胆管の枯れ枝状変化と胆嚢・胆管結石を認めた. 肝障害の改善のため, 胆嚢摘出術,総胆管切開切石, 逆行性経肝的胆管ドレナージを施行した. 胆管結石は認めていたが, 潰瘍性大腸炎の合併, 胆管像の典型的所見から, 原発性硬化性胆管炎と診断した. 外来経過観察していたが, 2年2カ月後,ALP上昇を認めたため精査入院となった.ERCP検査にて膵内胆管に内腔狭窄を認め, 口径不整像を呈し, 腹部CT検査で全周性壁肥厚を認めた. 細胞診はclass IIIであったが, 胆管癌の合併を疑い, 全胃幽門輪温存膵頭十二指腸切除を施行した. 切除胆管の組織像は,硬化性胆管炎に一致していた. 術後2年, 異常は認めていない. PSC経過観察中に下部胆管の限局性狭窄を呈した症例を経験したため, 文献的考察を含め報告した.