胆道
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胆嚢癌の進展様式に関する臨床病理学的研究
吉川 達也
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1988 年 2 巻 1 号 p. 34-43

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抄録
胆嚢癌切除例123例の進展様式について,臨床病理学的検討を行った.組織学的にみると, ( 1 ) 周囲臓器への主な進展はh i n f ( + ) が4 3 % , b i n f ( + ) が3 9 % , s i が2 9 % にみられた. ( 2 ) h i n f ( + ) 例の肝内先進部での進展様式は限局性, 膨張性のものと浸潤性のものに大別され, 前者は浸潤部位が肝床部型のものが8 7 % と多く, 後者は全例肝門部型であった. ( 3 )b i n f ( + ) 例の6 2 . 5 % はb i n f 3 の高度浸潤例で, l y ( + ) , v ( + ) , p n ( + ) は7 0 ~ 9 4 % と高頻度であった. ( 4 ) リンパ節転移は検討可能例7 9 例の6 6 % と高率にみられ, 部位別では1 2 b 2 , 1 3 a , 8 ,14の順に高頻度であった.また,深達度別ではpmまではリンパ節転移はみられなかったが,ssでは52%,se,si,hinf(+)例では78%にみられ,癌占居部位別では,se,si,hinf(+)例では占居部位にかかわらずみられたが,ssでは,占居部位がGnにかかるものやGfb2領域を占めるものは67%と,Gf・Gb1領域のみのものの14%に比し明らかに高かった.
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© 日本胆道学会
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