胆道
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肝門部の臨床解剖- plate systemの臨床的意義-
竜 崇正趙 明浩郡司 久山本 宏
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2007 年 21 巻 1 号 p. 82-90

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抄録
肝門部にはplate systemといわれる,比較的厚い結合組織が覆っている.Plate Systemは肝外では肝十二指腸間膜に移行し,肝内ではグリソン鞘に移行する.Plate systemは以下の4つに大別される.左右にグリソン鞘が分岐する部位にhilar plateがあり,右側はCystic plateに,左側はumbihcal plate,そしてArantian plateに連続している.肝門部での胆管走行の変異はこのplate systemの中で見られるが,肝内では胆管,動脈,門脈がグリソン鞘に包まれて同一に走行する.しかし尾状葉枝は胆管と門脈が別々に流入流出する事が多い.plate system内での胆管走行を検討すると,右側では右肝菅を形成するものは53%で,残る30%は後区域肝菅が肝門分岐部に,14%は左肝菅に,3%は総肝菅に流入した.左測ではB2B3共通肝型は44%にみられこの合流部はUPの左側であった.B3B4共通幹型は31%,B2B3B4同一合流型は25%であり,いずれも合流部位はUPの右側であった.左右肝動脈交通枝はすべてplate system内でみられ,胆菅の重要な血流路であった.肝門部の適切な手術を行うためには, 肝門部のplate systemの理解は必須である.
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© 日本胆道学会
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