胆道
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肝門部胆管癌,胆嚢癌,中下部胆管癌における微小リンパ節転移の臨床的意義
木村 理桜井 文明平井 一郎布施 明
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2007 年 21 巻 4 号 p. 506-521

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抄録
病理学的に転移陰性と診断されたリンパ節のなかには潜在的に転移陽性のリンパ節が存在するものがあり,微小リンパ節転移とはそれらを指すことが多い.しかしその定義や検出法,臨床的意義には,多くの問題点が存在する.第1に連続切片法,免疫組織化学的染色法,PCR法など検索方法の相違があげられる. いずれにも偽陽性・偽陰性の問題や手技の再現性の問題が存在する.第2には報告された検索症例数が少ないこと,第3には定義が統一されていないこと,第4に臓器によってリンパ節転移の予後規定因子としての重要性に差があることが挙げられる.われわれは連続切片法と免疫組織化学的染色法を組み合わせた新しい方法を用いて,より正確な微小リンパ節転移の検出の可能性を示した.その結果,肝門部胆管癌の5年生存率は微小リンパ節転移陽性例では31.2%で,通常の組織学的検索で転移陽性と診断された症例の19.7%と有意差を認めなかった.また通常の方法による解析でリンパ節転移陰性で,かつ微小リンパ節転移を認めない症例の5年生存率57.5%に比較して予後不良な傾向が認められた.
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© 日本胆道学会
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