胆道
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開心術後の胆嚢胆石発生機序に関する臨床的研究
畦元 亮作土屋 幸浩大藤 正雄
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1992 年 6 巻 5 号 p. 483-494

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抄録

種々の開心術後患者214例を対象としたretrospective study と,35例の開心術患者を対象とした prospective studyで,開心術後の胆石発生機序に関して検討した.retrospectivestudy の開心術群では,術式に関係なく20.1%に胆石の保有を認め,その胆石の多くは,超音波像とCT像から色素石と判定された.非弁膜疾患患者2,495例を対照とした年齢別胆石保有率の検討から,開心術施行時の年齢と胆石発生との間の密接な関連を認めた. prospective studyでは, 術式にかかわらず開心術後6カ月以内に25.7% に胆石の発生を認め,開心術の人工心肺に起因する溶血が,開心術後の胆石発生に大きな影響を及ぼしていると考えられた.

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© 日本胆道学会
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