胆道
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CTならびに血管造影による胆嚢癌壁深達度診断に関する基礎的研究
竹田 秀一
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1992 年 6 巻 5 号 p. 495-508

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抄録

CTならびに血管造影による胆嚢癌の壁深達度診断のための基礎的研究として,切除胆嚢癌63症例を対象に,描出された画像所見をretrospectiveに検討し,壁深達度別の所見のばらつきと特徴的な所見を捉えた.壁深達度は腹腔側壁深達度,肝内直接浸潤に分けて検討を行った.CTでは,腫瘍基部の胆嚢壁の肥厚の有無やその漿膜側の性状,肝や他臓器との境界の状態により,血管造影では肝動脈や胆嚢動脈の分枝レベルでの読影により,深達度別に特徴的な所見が得られた.腹腔側壁深達度ではm,pm,肝内直接浸潤ではhinf0,血管造影ではさらにhinf2の所見のぱらつきが大きく,実際の診断も困難と考えられた.ss症例を漿膜下層内での浸潤度別にss軽度浸潤,ss中等度浸潤,ss深部浸潤に分け画像所見を検討すると,CT,血管造影ではss深部浸潤とseの鑑別が困難であり,血管造影ではss軽度浸潤とm,pmの鑑別が困難であった.

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