抄録
腹腔鏡下での胆摘術 (Laparoscopic cholecystectomy: 以下LC) が1988年欧米で開発され, 我が国でも急速に広まりつつある.そこで, LC施行時に問題になると考えられる胆嚢管の分岐異常について検討してみた. 対象は当科で過去4年間にERCPを施行した 2,251例であり, 2.8%に胆嚢管分岐異常を経験した. このうち胆嚢管低位分岐型はLCに際しては特に問題なく, 胆嚢管の disorientation や胆管損傷の危険性がある胆嚢管分岐異常は, 1)右肝管からの分岐型, 2)右副肝管からの分岐型, 3)高位分岐型, 4)特殊型と考えられた. これら4型の胆嚢結石保有率は56%と高く, これら4型の出現頻度は ERCP 施行全症例に対しては 1.6% であったが, 胆嚢結石症例から見た出現頻度は 2.9%であった. また, DICでは胆嚢管の分岐異常を診断することは困難であり, ERCPをLC施行前に積極的に行う必要がある.