2011 年 2011 巻 13 号 p. 108-114
医薬品のライフサイクルを通して、ヒトでのリスク低減化を考えて行く上で、サイエンスに基づき、非臨床と臨床がコミュニケーションできるようになることが重要である。
昨年、ICHE2F/DSUR1)がステップ4に達し国内通知化も近い中、市販前からの医薬品リスクマネジメントにおいて、非臨床もヒトでのリスク低減化に貢献することがより一層求められている。
新たな潮流の中、第37回日本トキシコロジー学会学術年会は「トキシコロジー:人の健康と安全への貢献」をテーマに、1000人以上の参加者を集めて開催された。
多くの関係者の多大なご尽力と製薬企業の英断により、安全性の理由で開発が終結した化合物や生物製剤を具体事例として用いた本邦初の“非臨床・臨床ジョイントディスカッション(JD);シンポジウム「ファーマコビジランス」”が実現し2年目となる本会では、特に薬剤性肝障害(DILI)に焦点を絞り、副作用発現メカニズムへ言及したディスカッションとなった。
製薬企業にとって開発品に関する具体事例は機密情報であるが、それらの安全性情報は「ヒトでの副作用リスク低減化へのチャレンジ」を推進する上で極めて有用かつ貴重な情報であり、共有化のためのシステム構築に向けて、非臨床及び臨床安全性の専門家が緊密に連携しサイエンスに基づくJDを継続し、医薬品のリスク低減化、安全性の確保のための問題を提起し、解決法を提示することを目指している。
ここでは、シンポジウム「ファーマコビジランス」終了後に実施したアンケート結果を紹介するとともに、総合討論を振り返り、今後、シンポジウム「ファーマコビジランス」において取り組むべき課題についてとりまとめた。