2012 年 2012 巻 14 号 p. 64-67
日本毒性学会で定期的に開催されているファーマコビジランス/非臨床・臨床ジョイントディスカッションにおいて、アストラ・ゼネカのChris Pollard 先生に”Cardiovascular Safety Risk Assessment: Preclinical to Clinical Translation?”というタイトルで講演頂いた。講演の中で強調されていたように、臨床開発の戦略を決定する上で心臓安全性の評価はきわめて重要であり、非臨床データから臨床使用上の安全性の予測精度を向上させることが望まれる。また、ICHE14ガイドライン1)に基づいて行われるQT/QTc評価試験(TQT試験)をはじめとする臨床試験でのQTデータ収集の指標として非臨床データを活用すべきである。本稿ではPollard先生の講演内容を受け、臨床試験を施行する医師が非臨床データをどのようにとらえ、試験計画と施行に反映しているかを述べることにする。