谷本学校 毒性質問箱
Online ISSN : 2436-5114
レクチャー ファーマコビジランス
7-10 臨床医が安全性データを活用するには
蓮沼 智子
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2013 年 2013 巻 15 号 p. 111-112

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抄録

 米国にあるHESI(Health and Environmental Science Institute)のレポートによると、薬剤による副作用のうち71%は非臨床試験のデータから予測ができていたとの報告があるが、裏を返せば約30%の副作用については、非臨床試験では予測できていなかったということであり、このことは非臨床試験データのヒトへの外挿性の限界を浮き彫りにしている。副作用を臓器別にみると、消化管障害や血液障害、心血管障害については動物におけるヒトでの毒性予測は比較的高かったとのことだが、皮膚障害、肝障害及び神経系障害についてはやや低かったとの結果が得られている。2009年にStevensら1)は薬剤が市場から撤退する主な副作用として心血管系(45%)に次いで肝障害(32%)を挙げている。

 今回、非臨床で得られたデータがどの程度実臨床での副作用を反映しているのかについて、特にリウマチ分野の薬剤における比較的新しい低分子薬3剤について、その添付文書及びインタビューフォームのデータを抽出し比較した。

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© 2013 安全性評価研究会
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