2015 年 2015 巻 17 号 p. 1-7
「皮膚は内臓の鏡である」と称されるが、患者の皮膚には様々なSOSが現れる。皮膚症状は皮膚疾患のみならず、アレルギーやアナフィラキシーそして薬疹なども含まれ、そのSOSを読み取るスキルは、医師のみならず、医療に携わる職にあるものにとっては重要であることは論を俟たない。事実、筆者は医師ではなく若い看護師が発見した皮膚症状についてコンサルトされ、対応が遅れれば患者の命に係りかねない場面に幾度となく遭遇した。殆どの場合、早期発見により適切な処置を施され、患者は事無きを得て感謝されるが、「感謝すべきは最初に発見した看護師さんですよ」と答えることも少なくなかった。
本特集では、薬疹として頻度も多い蕁麻疹を含むアレルギー性皮膚疾患をまず概説し、その後薬疹、デルマドロームの順に概説する。