タウリンリサーチ
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タウリン研究と産業利用の歴史
タウリン食ラット肝臓におけるコレステロールエステルの 蓄積・分泌低下と脂肪酸酸化の関係
西園 祥子 福田 亘博村上 茂
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ジャーナル オープンアクセス

2015 年 1 巻 1 号 p. 50-52

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抄録
本研究では、タウリン食による肝臓におけるコレステロールエステル(CE)の蓄積・分泌の低下と脂肪酸酸化の関係を明らかにする目的で単離肝臓灌流法を用いて実験を行った。高コレステロール食Wistar 系雄ラットに5%タウリンを含む食餌を14 日間与えた。肝臓は単離後、37℃で25%洗浄赤血球、1.5%アルブミン及び25mM グルコースを含むKrebs-Henseleit 緩衝液(pH 7.4)で4 時間灌流した。外因性脂肪酸として灌流開始時に[1-14C]オレイン酸を100 μmol、その後1 時間当たり90 μmol を連続的に添加した。タウリン食は、血清及び肝臓のCE 濃度を有意に低下させた。ケトン体生成及び外因性脂肪酸のケトン体への取り込みは、4 時間の灌流中、対照群と比較してタウリン食群で常に高値を示した。特に、[1-14C]オレイン酸のケトン体への取込み増加は有意であった。肝臓ミトコンドリアのカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ活性も有意に亢進した。一方、タウリン食は、外因性脂肪酸の肝臓におけるCE への取込み及びCE の肝臓からの分泌を有意に減少させた。以上のように、タウリン食は肝臓CE の濃度及びその分泌を低下させ、一方脂肪酸酸化を亢進させた。このような脂肪酸の酸化系への代謝亢進とCE への取込み減少がタウリンによる血清及び肝臓CE 濃度低下と関連していることが示唆された。
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© 2015 国際タウリン研究会

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