タウリン投与が長時間運動時の血糖低下を抑制する機序として肝糖新生に着目し、遊離アミノ酸(FAA)の動態を検討した。8 週齢のF344 雄ラットをタウリン投与群(Tau)と非投与群(Con)に分け、さらに両群を運動前群、120 分運動群に分けた。Tau群では走行中の血糖低下が抑制された。タウリン投与は肝のG6Pase 活性を上げ、Thr、Ser、Gly を下げた。運動後、Con 群の筋Thr、Ser が上昇し、Tau 群では不変だった。逆に肝ではTau 群のThr、Ser が上昇し、Con 群では不変だった。Con 群では運動中の血糖低下に抗うために糖新生が行われたが、Tau 群では運動前から糖新生が惹起され、運動中の血糖低下を抑制した可能性がある。