2020 年 6 巻 1 号 p. 26-27
昨年度の報告で、ヒラメ稚魚においてシステアミン経路が存在する可能性が示唆された。ヒラメ稚魚ではタウリンの投与によりシステインスルフィン酸経路の中間産物であるシスタチオニンが減少することが知られている。しかし、システアミン経路に同様のフィードバック機構があるかは不明である。そこで、本研究ではヒラメ稚魚にシステアミンおよびタウリンを併用投与し飼育した。その結果、システアミンとタウリンの併用添加区で魚体中のタウリン含量はタウリン単独添加区より高くなり、システアミンジオキシゲナーゼの遺伝子発現に他の試験区と変化はなかった。これらのことから、システアミン経路はタウリンによるフィードバック制御を受けないことが示唆された。