抄録
肺感染症は肺および全身に炎症を引き起こし、骨格筋の衰弱など全身の重篤な症状を伴うことがある。N-クロロタウリン(タウリンクロラミン;TauCl)は細胞内で抗炎症作用を示すが、In vivo 実験に関する情報はほとんどない。 我々は、大腸菌由来のリポ多糖(LPS)誘発肺炎に対するTauCl の抗炎症作用を評価した。TauCl の腹腔内投与によりLPS により誘発される肺炎および一部の炎症性サイトカインの産生が抑制された。さらに、TauCl 投与により骨格筋萎縮が緩和された。 以上の結果より、TauCl の腹腔内投与が生体内で急性肺炎に関連した肺および全身の炎症を抑制することが示唆された。