タウリンリサーチ
Online ISSN : 2434-0650
Print ISSN : 2189-6232
タウリンとカルニチンの脂肪酸代謝によるミトコンドリア内アセチルCoA 量制御作用の比較-マウス骨格筋培養細胞を用いた検討-
宮﨑 照雄 本多 彰
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2022 年 8 巻 1 号 p. 7-10

詳細
抄録
骨格筋における脂肪酸エネルギー代謝では、TCA回路で消費される以上のアセチル CoA(AcCoA)が ミトコンドリア内で生成されるため、遊離 CoA の減少に伴う代謝低下を招く恐れがある。長鎖脂肪酸 β 酸化では、カルニチンが生成された AcCoA のアセチル基をアセチルカルニチン(ACT)に転換する事 で、ミトコンドリア内の CoA 量を制御する。タウリンには、酢酸(アセチル基)をN-アセチルタウリン(NAT)に転換する作用がある事と、持久性運動時により骨格筋や血液中で NAT 量が増加する事から、タウリンにもミトコンドリア内の AcCoA と CoA のバランスを制御する作用があると考えられる。本研究では、マウス C2C12 筋管細胞による検証で、タウリンは短鎖脂肪酸(酢酸)を NAT に、カルニチンは長鎖脂肪酸を ACT に転換する事で、ミトコンドリア内の AcCoA の過剰な蓄積を防ぎ、円滑なエネルギー代謝を維持している事が明らかとなった。
著者関連情報
© 2022 国際タウリン研究会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top