抄録
放射線曝露モデルマウスを用いた我々の研究からタウリン欠乏が放射線誘発性細胞損傷を悪化させる可能性があることを報告してきた。放射線曝露による細胞損傷は、Toll 様受容体(TLR)/ NF-κB を含む複数のシグナル伝達経路によって媒介されるが、放射線曝露と組織内タウリンが TLR/ NF-κB 経路にどのような変化をもたらすのかについては未だ明らかではない。今回我々が放射線曝露モデルマウスの小腸を解析した結果、小腸粘膜の喪失を引き起こす因子として、タウリン欠乏と TLR/ NF-κB シグナル伝達経路が関与する可能性がみられた。今回は放射線曝露によるマウス小腸上皮の TLR に関する検討の一部を報告する。