日本造血・免疫細胞療法学会雑誌
Online ISSN : 2436-455X
研究報告
WEBを用いた採取可能日情報の事前入力によるコーディネート期間短縮の試み
日野 雅之梅本 由香里幕内 陽介岡村 浩史康 秀男萩山 恵子折原 勝己中尾 隆文岡田 昌也魚嶋 伸彦伊藤 満藥師神 公和西川 彰則石川 淳水野 石一石川 隆之福田 隆浩
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2022 年 11 巻 2 号 p. 114-121

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抄録

 骨髄バンク近畿地区事務局と協力して,現在のコーディネートの問題点を検証し,2017年から各認定施設が事前に採取可能日の情報をWEB入力するシステムを構築し,運用を開始した。その結果,依頼時の断り件数がほとんどなくなり,コーディネート期間はドナー選定から採取までの中央値が,2013年~2016年の70~78日から,システム導入後,2017年~2020年は57~63日と短縮した。患者第一希望週での採取率は2013年~2016年の29~38%から,システム導入後は2017年32%,2018年~2020年は63~73%に向上した。また,採取の効率化や医師の負担軽減のために造血細胞移植コーディネーター(HCTC)の役割が重要であった。一方,採取が効率化した反面,採取件数の施設間格差が生じ,個々の医師の採取経験数が少なくなっている場合もあり,ドナー安全を確保するために採取技術の継承も重要な課題である。

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© 2022 一般社団法人日本造血・免疫細胞療法学会
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