日本造血・免疫細胞療法学会雑誌
Online ISSN : 2436-455X
総説
慢性GVHDの口腔症状の診断,評価およびマネジメント
曽我 賢彦
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2024 年 13 巻 2 号 p. 69-73

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抄録

 口腔は,同種造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(chrnonic graft versus host disease,cGVHD)における代表的な標的臓器の一つである。症状としては,口腔粘膜の扁平苔癬様変化,疼痛,口腔乾燥そして味覚障害等が特徴的であり,口腔の健康状態の悪化,口腔機能の低下,ひいては経口摂取に支障を来すことで,生活の質の低下をもたらす。本稿では,慢性GVHDの口腔症状に関する診断,評価およびマネジメントについて概説した。診断および評価は,日本造血・免疫細胞療法学会のガイドラインに従い,NIH consensus development projectが提唱している基準によって行う。症状マネジメントにあたっては,口腔カンジダ症や口腔乾燥症といった増悪因子を取り除き,口腔衛生管理を徹底する必要がある。GVL効果を減弱させないよう,口腔用のステロイド製剤の局所投与で対応することが望ましい。

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© 2024 一般社団法人日本造血・免疫細胞療法学会
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