日本造血・免疫細胞療法学会雑誌
Online ISSN : 2436-455X
総説
同種造血幹細胞移植後ウイルス感染症:未解決の課題
緒方 正男
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2024 年 13 巻 4 号 p. 104-112

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抄録

 同種造血幹細胞移植におけるウイルス感染症のマネジメントの進歩は患者の予後改善に寄与しているが,依然として未解決の課題が残っている。本総説では,以下のトピックに焦点を当てた。1)varicella-zoster virus感染症に対するワクチンの現状,2)cytomegalovirusの再活性化と急性骨髄性白血病の再発の関連,3)HHV-6Bの再活性化が中枢神経系に与える影響,4)キメラ抗原受容体T細胞療法後のHHV-6再活性化とHHV-6B脳炎,5)移植後ウイルス感染症の診断の問題およびマルチプレックスPCRや次世代シークエンシングを用いた診断率向上への取り組み。これらの知見をもとに,将来の展望を論じる。

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© 2024 一般社団法人日本造血・免疫細胞療法学会
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