2025 年 14 巻 3 号 p. 181-187
本邦において,ステロイド抵抗性・不耐容慢性移植片対宿主病(GVHD)に対して,体外フォトフェレーシス(ECP)が新たな治療選択肢に加わった。しかし,ECP治療を導入している施設は少なく,その地域も限られている。その要因として人的資源の問題が考えられるため,ECP治療に関わる医療者の業務量などについて検討した。1回のECP治療に平均約2時間を要していたが,脱血と返血を同時に行うダブルニードルモードを選択した症例では有意に短かった。また,血液浄化室でECP治療を実施した施設では,看護師,臨床工学技士が関わる平均時間は有意に短かった。静脈アクセスの方法や施設のECP実施場所により,ECP治療時間や医療者が関わる時間に差がみられたものの,医療者の業務量は多かった。今後,医療者の業務負担軽減の取り組みなどの情報共有を行い,ECP治療を必要とする患者にECP治療を提供できる体制を構築する必要がある。