日本造血・免疫細胞療法学会雑誌
Online ISSN : 2436-455X
研究報告
慢性移植片対宿主病に対する体外フォトフェレーシス治療における医療者の業務量の検討
西田 徹也後藤 辰徳城 友泰常峰 紘子有馬 靖佳渡邊 光正村田 誠新井 康之
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2025 年 14 巻 3 号 p. 181-187

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抄録

 本邦において,ステロイド抵抗性・不耐容慢性移植片対宿主病(GVHD)に対して,体外フォトフェレーシス(ECP)が新たな治療選択肢に加わった。しかし,ECP治療を導入している施設は少なく,その地域も限られている。その要因として人的資源の問題が考えられるため,ECP治療に関わる医療者の業務量などについて検討した。1回のECP治療に平均約2時間を要していたが,脱血と返血を同時に行うダブルニードルモードを選択した症例では有意に短かった。また,血液浄化室でECP治療を実施した施設では,看護師,臨床工学技士が関わる平均時間は有意に短かった。静脈アクセスの方法や施設のECP実施場所により,ECP治療時間や医療者が関わる時間に差がみられたものの,医療者の業務量は多かった。今後,医療者の業務負担軽減の取り組みなどの情報共有を行い,ECP治療を必要とする患者にECP治療を提供できる体制を構築する必要がある。

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© 2025 一般社団法人日本造血・免疫細胞療法学会
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