日本造血・免疫細胞療法学会雑誌
Online ISSN : 2436-455X
総説
移植後長期フォローアップ外来をサポートするツール構築
黒澤 彩子
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2025 年 14 巻 3 号 p. 165-171

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抄録

 移植後LTFU外来における介入対象は多岐に及ぶ。2018年に行われた移植後LTFU外来の全国実態把握調査から,移植後5年目以降もフォローアップを継続する施設が多いことが示され,移植拠点病院の目標の一つである「移植患者が,どの地域に居住していても,適切な長期フォローアップを受けることができる医療提供体制の構築」のためには,LTFU診療の標準化のみならず,医療者の負担減も重要な課題であることが示唆された。同調査より,晩期合併症に関する情報提供資料などのLTFUツールに対する医療者側からの高いニーズが示され,2019年度より福田班協力者によるLTFUツール全国版の開発がはじまった。現在までに成人移行をサポートするツールを含む7種類のLTFUツールを構築し,学会ホームページに公開されている。2024年度に計画されたLTFU全国調査第三弾では各ツールの活用度や要望についても調査がされる予定である。

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© 2025 一般社団法人日本造血・免疫細胞療法学会
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