天文教育
Online ISSN : 2758-7886
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自宅での望遠鏡を用いた月観察学習の試み
小 6 理科「月と太陽」単元への導入とその評価
縣 秀彦瀧澤 輝佳
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 32 巻 5 号 p. 4-16

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抄録

小学校における天文教育の課題解決を目的に、児童一人一人が天体望遠鏡を持ち帰り、各自が自宅にて学習可能かを公立小学校において調査した。小学 6 年理科の単元「月と太陽」において「月の表面には何があるか」を課題として、3 クラスの児童が自宅で国立天文台望遠鏡キットを用いて月の観察を行った。その結果、児童全員が自宅にて同キットを用いて月を観察することができた。結果として 9 割を超える児童が月の表面の観察からクレーターの存在を理解し、9 割に近い児童が太陽光の反射で月が光っていることを理解した。 今後、全国で標準的にこの学習方法を小学校で導入しようとする際、望遠鏡と三脚の使い方に関しての事前学習が不可欠であり、保護者の理解や協力も必要である。一方、開発した教具の改善点が本研究における観察体験より抽出された。 小中学校理科における課題解決学習において、新型コロナウィルス感染症予防の観点からも、自宅における望遠鏡を用いた観察の導入を提言する。

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