鉄と鋼
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18Niマルエージ鋼の強度と靱性におよぼす未再結晶溶体化処理の影響
栗林 一彦堀内 良
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1986 年 72 巻 15 号 p. 2109-2116

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抄録

18%Niマルエージ鋼に微量のボロンを添加することにより高密度の転位を含む逆変態γの再結晶温度を著しく上昇させることができた.この効果を利用して,溶体化処理を目的とする熱処理中にも再結晶による転位の消滅を阻止して,高密度の転位を含むγをマルテンサイトの母相とする未再結晶溶体化処理を実用的に可能とした.
熱処理のみでオースフォーム類似の効果も期待できるこの未再結晶溶体化処理による材質の強靱化の詳細を実験的に検討し,未再結晶溶体化処理はマルエージ鋼に対して実用性の高い効果的な熱処理となることを明らかにした.

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