2017 年 10 巻 p. 61-69
2015(平成27)年12月に出された中教審答申「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」は、これからの時代の学校組織の在り方を示すもので、多様な専門性を有した教職員、専門スタッフが「チーム学校」として協力関係を築いていくこと、ならびに地域との連携体制を整備していくことを提言している。「チーム学校」が注目される背景の一つには、アクティブ・ラーニングを取り入れた授業改善やカリキュラム・マネジメントによる組織体制の整備を通して、新しい時代に求められる資質・能力を育む「社会に開かれた教育課程」の実現が要請されていることがある。そこで本稿では、多文化共生を目指して「社会に開かれた教育課程」を実現しようと、カリキュラム・マネジメントによる学校組織体制の整備を進めている「チーム学校」の取り組みの具体的な事例として、横浜市立飯田北いちょう小学校の実践を検討していく。