2017 年 11 巻 p. 181-189
本論文は保育者不足の現状を踏まえ、保育者養成校における実習が就職に影響を与える要因を探り、就職に結びつくより良い実習の在り方を考察することを目的としている。上記の目的のため、A短大の学生10名に対して、実習経過毎に半構造化面接を行い、修正版グラウンデッドセオリーアプローチにて面接内容の分析を行った。分析結果として、「実習を通じて培われる実習生自身の技術・自信」「実習先で出会う保育者」が実習を通して就職に影響を与える要因であると判明した。この結果を踏まえ、結論として保育者として就職に結びつくより良い実習の在り方のポイントとして「実習で学生が保育者としてより成長できるような大学における講義や指導」「実習園における保育者の立ち振る舞い」の2点を挙げている。