2017 年 12 巻 p. 1-12
本研究では、乳幼児の子育てをしている母親を対象に、子どもの年齢、性別、所属等、状況要因の違いによって育児不安に違いがあるかを検討した。具体的には、第1子が0~5歳の子育て期の女性500名を対象にオンライン調査を実施し、育児不安に関する項目、子育ての悩みの相談相手、子育て支援資源の利用状況等について尋ねた。はじめに、第1子の年齢、性別、所属(保育所/幼稚園/在宅)の違いよって育児不安の得点に差があるかを検討した。その結果、①子の年齢が高い母親の方が「育児における苛立ち」および「発達不安」が高いこと、②男児の母親の方が「発達不安」が高いこと、③保育所、幼稚園に子供が通っている母親よりも、在宅で子どもを育児している母親の方が「社会からの孤立」を感じていることが分かった。また、母親たちがどの程度子育て支援資源を利用しているのか、子どもの所属別にその内容を検討した。