東京未来大学研究紀要
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研究ノート
通常の学級に在籍している特別の支援を必要とする児童の指導法に関する一考察
―書字に困難を示す児童を中心に―
岡本 明博
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2017 年 12 巻 p. 133-139

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抄録

 小学校の通常の学級には、学習に困難を示す児童が在籍している。その中には書字の学習につまずきをみせる児童が少なからず存在する。小学校入学後の読み書きのつまずきは、他の学習にも影響を与えることから、通常の学級における指導方法について検討することは重要な課題の1つとされている。そこで、本研究では、小学校の通常の学級における低学年の学級担任に対する調査を通して、書字学習において特別な支援を必要としている児童の学習状況を把握し、指導場面にみられる問題点とその改善に必要な諸課題について検討した。その結果、低学年における支援の対象となる児童の在籍率は3.8%であり、平仮名と漢字の学習支援が必要であること、指導について一斉指導では個人差への対応、筆順、持ち方、字形、筆圧の改善を促すための指導方法の検討が求められていること、個別指導では、指導時間の不足が大きな問題であり、その他一斉指導と同様の問題が指摘されていること、今後、両指導場面において具体的な手立てを実施するための指導方法の総合的な検討が必要であることが示唆された。

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