東京未来大学研究紀要
Online ISSN : 2433-5487
Print ISSN : 1882-5273
原著
普遍的援助論存在の可能性
―カウンセリング、看護等の比較より―
伊藤 能之
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2020 年 14 巻 p. 1-8

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抄録

 本論考は、保育、看護、カウンセリングにおける普遍的な援助概念が存在するか否かの可能性について考察し、その存在を確認したものである。保育は、「気になる子」の存在を前に、カウンセリングと接近し、また病棟保育のような場においては、看護とも接近する。しかし、保育、カウンセリング、看護、ともに援助に関わる職業でありながら、専門性が強く、必ずしも連携は容易ではない。しかし、援助において、看護、保育、カウンセリングが統合される場合がある以上、連携が求められる中、普遍的援助概念を考察することは意味があると考える。

 結論として、保育、カウンセリング、看護において、その普遍的援助概念は存在し、それは、「自立」という概念に集約される。一人で着脱できない子が一人で着脱できるようになったとき、そこに自立の概念が提起される。このことは、直面している問題の解決を求めるカウンセリング、病魔と全力で立ち向かうことをナイチンゲール以来の基本概念としている看護にも当てはまる。

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