東京未来大学研究紀要
Online ISSN : 2433-5487
Print ISSN : 1882-5273
原著
国語科における言語技術教育に関する一考察
―「書くこと(論理的文章)」の指導を例に―
篠原 京子
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2023 年 17 巻 p. 83-92

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抄録

 情報化、国際化が進む現代社会では、言語技術教育の重要性が増してきている。言語技術とは、正確に、客観的に事実を伝え、明確に、論理的に意見を述べることを目的とした言葉の用法のことである。文化的、思想的背景が異なる様々な地域・国家の人々との円滑な情報の発信、受信のためには、言葉を学ぶ教科である国語科において言語技術教育を推進する必要がある。1950年代からこれまでに、時枝誠記らによる教科書『国語言語編Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』の発行、木下是雄を中心とする学習院言語技術の会の活動、日本言語技術教育学会の発足等、言語技術教育の推進の波は繰り返し起こってきたにもかかわらず、国語科教育の中での認識はさほど高まっていない。その要因を探るとともに、先達の作成した教科書等を考察し、今後の言語技術教育推進の必要性を述べる。さらに、「書くこと(論理的文章)」に必要な言語技術を明示し、その効果的な指導方法を提案する。

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