東京未来大学研究紀要
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論文
学校と教育から見た2つの震災
-関東大震災と阪神大震災の比較考察-
岸本 肇
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2010 年 3 巻 p. 1-8

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抄録

学校と教育の観点から、関東大震災と阪神大震災の比較考察をした結果、大要、以下の知見を得た。
1. 2つの大地震の被災地における「学校再開」は、早いと評価できる。
2. 関東大震災後、欧米の新教育運動の影響による教育改革論議が起こった。
3. 関東大震災後の学校現場では、伝統的な徳育の教育課題が強調された。どちらの震災後とも、子どもの道徳観や品行には、善悪の二律背反現象が見られた。
4.「 生命の大切さ」が強調されたのは両大震災後の教育に共通するが、関東大震災の際、御真影を守る殉死の美徳が喧伝された特徴がある。
5. 関東大震災のときの朝鮮人虐殺事件は、平和や民主主義の教育にとって重要な題材と考えられる。

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