本研究の目的は、福祉先進国であるスウェーデンにおけるソーシャルワーカーの職務と倫理の全体像を把握することにある。まずは職業グループと労働組合について関係を明確にし、つぎに専門職集団としてのソーシャルワーカーの現状を把握する。最終的にはソーシャルワークが目指す目標とその倫理基準を見ることによって、ソーシャルワーカーの労働、職務そして倫理の力動的関係性を浮き彫りにしている。職業グループが職能の向上と己の労働条件を充実させることは、職務における問題解決への道を拓き、倫理基準を遵守しつつ社会サービスの根幹を成す法律に定められたサービス提供を可能にするという相互関係を明確にしている。