ピアノ初期学習者を観察していると、前腕に力がこもり、こわばっていることが多い。演奏技術の習得において、指の動きでだけではなく、前腕の回転の動きを指の動きと組み合わせた時に、腕の不必要なこわばりと緊張を排除できるとして、前腕の回転について、力学的な法則を交えて考察する。また、前腕の回転運動を効率よく行う方法論について、腕の構造を踏まえて、小指主導型とよばれる腕の動きについて触れる。また前腕の回転を通じて、こわばりを取り除くことだけでなく、レガート奏法や、テンポを保つことなど、より高度な演奏のためにも、有効であることに触れる。このことから、ピアノ初期学習の段階から指の指導だけではなく、前腕の回転も考慮して指導することが重要である。