本稿では,小学校や教師と,心理学部の教員や学生とを大学が連携,活用し,コンサルテーションを行った実践例を報告する。具体的には,小学校生活において主に社会性のつまずきを抱えている小学校2,3年男児4名を対象に,小集団によるソーシャルスキル・トレーニング(SST)を実施し,その効果を検討した。その特徴として,日常子どもたちが生活している小学校内で行ったこと,子どもたちの様子に応じて内容を適宜変更したこと,プログラム内での行動の変化だけではなく内面的側面や教室での様子の評定など多面的に効果測定を行ったことなどが挙げられる。その結果,SST活動中の行動には,ルール違反や不適切な発声や身体の動きにおいてSST実施前後で改善がみられた。一方,教室内の行動においては,その効果の般化は示されなかった。