海外生活という特殊な環境で長期間滞在することによって、どのようにアイデンティティが影響を受けるのかを明らかにしたいと考えた。そこで、アメリカ合衆国サンフランシスコ・ベイエリアで長期間生活する日本人にアイデンティティに関するアンケート調査を行った。
調査結果から、滞在年数が長いほど個人、地理、組織アイデンティティに変化がみられた。個人アイデンティティで、「楽天的」、「我慢強い」、「自我が強い」と答えた人が多かった。それは、異文化である海外において、性格が適応したためであると考えられる。また、日本という故郷への意識が地理アイデンティティでみられたが、マイノリティーとしての生活の大変さがその意識を強くしていったと思われる。同様に、組織アイデンティティでは、組織に属することは自身を守るために重要であり、拠りどころとなることがうかがえる。海外に出て改めて日本や日本文化を認識し、日本人であるという自覚と自信をもち、文化アイデンティティに影響したと考えられる。